AIAの目指す理想像は、どんな人間になることですか? |
|
AIAプログラムの創始者ボブ・コンクリンが、このプログラムの普及にあたって貫き通してきた思想の根底には「Full Utilization of Mediocrity(普通人の能力をフルに生かす)」という主張があります。 つまり、AIAプログラムでは「すべての人々が、ある一定の理想的な人物になる」ことを目指しているものではありません。AIAは、各人がそれぞれに自分のパーソナリティーに合った方法で個性を磨き、生きる目的を考え、自信を養い、自分の持っている潜在的能力を十分に発揮できるようになることを目的としています。そのための考え方を学びとる場とチャンスを提供しているのです。 ですから、AIAの理想像は?と問われれば、それはAIAの場を活かして自分自身の理想像をつくりあげ、そして、その理想像を目指して常に自分自身を変革(心のアドベンチャー)していく自信と勇気と柔軟な思考とを身につけた人と言えるでしょう。 どのような理想像を描くか、それはあなた自身の中にあるのです。 例えば、 1.どんな時代の変化や状況にも対応できる個性的なパーソナリティーを持った人 2.自分の持っている長所や強みを生かした自己概念、人生目標を設定し、その自己イメージを繰り返し描くことによって積極的に生きる人 3.変えることのできないものを受け入れる冷静さを持ち、変えられるもの、変えるべきものを変えていこうという勇気のある人。また、何が変えられて何が変えられないかの洞察力を持った人 4.狭い島国根性や閉鎖的な発想から脱皮して国際感覚的な視野にたってものごとを洞察し、行動できる人 5.人間的な魅力があり、誰からも好かれる人 6.自分自身との対決、対自競争のできる人(他人との比較競争などせずに自己との対決を通して成長を続け、問題を避けないでそれに直面できる人の意) 7.自分自身を変える勇気があり冒険のできる人で、それによって周りに積極的な影響を与える人 8.上からの叱咤激励や精神的な圧力がなければ行動を起こさないというのでなく、自分自身で自分を動かせる人 9.自分の機能的能力と内発的意欲や志・こころざしの高い姿勢といった人間的な深みのある能力のバランスがとれた人 10.目の輝いている人、ほほえみを絶やさない人 11.人の長所を見出してそれを伸ばすことのできる人 12.手段と目的を混同しない人 |
AIAは「やる気」と「自信」をひき出す啓育プログラム、とお聞きします。私は、やる気があって、毎日力一杯仕事に励んでいるので、AIAのお世話になる必要はない、と思うのですが…。 |
|
「私は、やる気がある人間だ」と自信をもって言えることは、積極的に生きていくという姿勢に欠かすことのできない要素です。 その場合に問題になることは、私たちが目指す“本当のやる気”とは一体どんなものなのか、ということです。「自分にはやる気がある」と確信している人は大勢います。しかしその種類とか質的なものには、かなりの違いが見られます。あなたの言う“やる気”とは 1.単に報酬を目的にした、あるいは上役や周囲の人からの叱咤激励など刺激によるものでなく、自分の内から湧き出たものですか。 2.他人との競争意識だけではなく、対自(自分が自分に直面する)競争心から出たものですか。 3.会社、とくに自分の仕事だけにやる気の焦点がしほられて周囲への配慮に欠けたものではなく、日常生活のあらゆる分野にわたってバランスがとれていますか。 4.環境への過剰適応から、能力やパーソナリティーに負担がかかりすぎて、イライラや不眠に悩まされることなく、周囲の人々へ積極的なエネルギーを与え、適正なリーダーシップを発揮できていますか。 5.どんな変化にも対応できる忍耐力と力強さを備えたものですか。 6.現実と理想をしっかりと見極めて目標を設定し、それを達成する行動力が伴ったものですか。 7.ほんの一瞬のものではなく、自分の人生の目的に沿った、長続きのするものですか。 このように、自分にはやる気がある、と思っていても、こうしていろいろの観点からやる気の度合いを見つめ直してみると、意外に欠けた面のあることに気がつくはずです。 ニーチェは、「なぜ生きるのかに答えをもつ人は、どんな困難にも屈しない」と言っています。自分をよく知っている人ほど、イキイキとした生き方をします。人生の目的をしっかりつかむことによって本当のやる気が起こってくるのです。 自分の内面を的確につかんでいる人は、自分がどういう生き方をすればよいのかを理解しています。だから、自分のもっているエネルギー、才能を的確に評価し、それらを十二分に活用する方法を知っています。人生の目的と個性的な人間としての成長、これらが私たちの人生の各分野にわたって、総合的にバランスのとれた状態にあるとき、内から湧き出てくる力強い心の動き、それが本当に長続きのするやる気といえるものなのです。本当にやる気があるのかどうか、あなたがまわりの人に聞いてみるのもよいでしょう。あるいは、コースに参加して自分でそれを確認することも、今後のあなたの成長のために必ず役立つはずです。 |
AIAプログラムのヤマ場とも言えるディスカッションでは、3分、7分、10分と分刻みで進行するので、ちょうど議論が盛り上がったところで時間切れになり、完全に問題を消化しきれないと思うのですが、これには何かわけがあるのでしょうか。 |
|
そのご質問については、ゼイガルニーク効果(Zeigarnik effect)という心理学の用語についてお話すればご理解いただけるかと思います。 これは“中断動作”による記憶の研究をしたソ連の臨床心理学者ゼイガルニークの名をとった専門用語ですが、簡単に言えば、私たち人間は、最後までやり遂げた作業の内容よりも途中で中断されてしまった作業の方を、より鮮明に記憶し、それを行動に移すことができる、という効果のことです。 未完了の課題には、それを完了しようとする要求・緊張が残るわけで、そこで受けた刺激が脳裏に残存効果として保たれ、よりよく記憶される、という現象を生じるわけです。短時間に、手早く進められるAIAプログラムには、このゼイガルニーク効果が活用されているのです。 私たちの実生活の中で、時間を十分に使って問題の結論を出すという場面はそう多くはありません。短い時間の中で決断をしなければならないことが多いのです。AIAの基本的な研修目的の一つは「実生活での、よりよい生き方を発見するための場を提供するためのもの」であり、その意味では理にかなったものです。 とは言えAIAではすべての問題を不消化、未完成のままで終わらせようというのでは、無論ありません。74に分かれたプロジェクトの中で重要なポイントはテープやテキストで反復し強化し、自然に身につくように工夫されています。 ゼイガルニーク効果と反復効果、この二つをうまくミックスし、機能させているのがAIAプログラムシステムの特長なのです。 「研修を受けてから3ケ月がたちました。仕事が忙しいとき、逆にふと手があいたとき、AIAで学んだことが心の中に浮かび上ってきて、そのたびに、よし、がんばらなければ という気になります。AIAの効果がじわじわと表われています」 これはAIA受講者の感想ですが脳裏に刻まれたAIAの効果を如実に示しています。つぎの感想文には、より具体的に述べられています。 「AIAコースは非常に高密度にプログラム化されています。CDによる講話、テキストの朗読、さまざまなしかけのあるゲーム、自己診断テスト、人生目標の設定、グループ討議と発表などが、コーディネーターの合図で分刻みで進行していきます。コース中はゆっくり考えこんだり、迷ったり、悩んだりするのではなく、知らず知らずに引きこまれ、意外にほんとうの自分を出しているのです。万事にシラケ切っている現代の人間には自分自身と直面することがきわめてむずかしいことであると思われます。このプログラムは何回となく自然に人生の重要事と対面させてくれるのです。そして、その意味について、人生の実体験の中で気づかせてくれるようになっています」。 |